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これは、私が小六の時の話です。
暑い夏に友達二人と三人で遊んでいたんですが、いきなり一人がいなくなってしまったんです。

しばらく二人で歩き回っていたら、お寺の隅にある小屋の前に、住職さんと立っていたんです。

「何やってんの?」

と私がたずねると、眉を寄せて

「女の子がおる言うけど見えへんねん」

と言ったのでもう一人が見たんですが、いないと言って私を呼びました。

扉の前は血生臭く、私は鼻がきくからだなと思ったんですが、でも何故こんなに血生臭いのか、ありえないだろうと思いました。

でも、見てくれと言われて住職さんが開けた中を見たんです。


そこには、手足があらぬ場所にあったり、首が曲がっていたり、ぐちゃぐちゃの状態の女の子がいたんです。

血生臭くて、気持ち悪くて、怖くて、吐いてしまいました。


私が落ち着いたあと、話を聞いてみたら、事故にあった女の子が、あの場所から動けなくなってしまい、住職さんが小屋をたてたそうです。

私はあれ以来、いろんなものが見えてしまいます。

皆さんも気をつけてください、何が引き金になるかわかりませんよ。
おかしいなと思い凝視していると兄の部屋のベランダの窓際に人間がつっ立っているのに気づく。
かなりビビり動けなくなった俺は鏡を見続けた…顔がないことに気づく。

顔がないと思ったらお腹あたりに顔がある…ジャミラに似ているがより不自然で不気味だった。

目があったと思うとまことにキモい走り方で近寄ってきた…俺に来たと錯覚するが、すぐに鏡の中の俺に向かっていることに気づく。
鏡に音もたてずにへばりついていて生身の俺には背中を向けている状態だ。

パニックになりがちだが霊を信じないうえに酒を飲んでいる俺は本棚の横にある中学時代京都で買った2本の木刀のうちより頑丈そうな黒い木刀を手に取り、怒りと恐怖の入り混じった感情を爆発させ偽ジャミラを滅多打ちにした。
怖いけど木刀を振り回しパンツ一丁で暴れている俺を客観的に考えると爆笑こきそうになる。

暴れて疲れ切ったくらいにジャミラを見ると大きさが150センチはあったものが10センチくらいに縮んでいた。
なぜか倒したと思い、なぜかつかんでトイレットペーパーに包んでトイレに流した。

そして寝た。


起きたらすぐに夢であったと考えたが、親指の爪から血が出て固まっていて、黒い木刀が真っ二つに割れていた。

兄がなぜ一人暮らしを始めたのか聞いてみたいが、兄と俺は若乃花貴乃花以上に仲が悪く、気軽に話すことすらできないのですぐに諦めた。

この話を打っている今も「開けて」のカリカリが聞こえる…犬だとは思うが今は開けないでおこうと思う。