1 無名さん

A急列車

A急列車は、青虫の運営する創作BL小説サイトです。
男性同士の恋愛という架空のテーマを扱っています。ゆったりのんびりメインですが、作品の性質上18禁となっております。
作品には性描写を含みますが、特別過激なものはありません。日常のひとコマのBLを、お届けいたします。

管理人…青虫
コーヒーを燃料に動く。物書きしていない時は、手芸をしているかハーブを育てている。
以前、出張帰りに妙なもんを見たことがある。
峠越えの最中に、サイドミラーにちらちら変な影が映ってた。

「なんだ?」と思ってそっちを見ると、ひょいっと車の真後ろに回りこむ。
バックミラーを見ても、何も映らない。

今考えると正気じゃないと思うんだが、疲れも溜まってて苛ついたんだと思う。
それが車の真後ろに来た瞬間に思いっきりブレーキをかけたんだ。けど、想像していた音や衝撃はなかった。

思いっきりブレーキ踏むと、シートベルト部分がかなり痛いのな。
前のめりになって、必死で息吸ってた。

すると「ベコッ、ガンッ…ベコッ、ガンッ…」って、車の板金を凹ませて戻す音がした。トランクの所から。
振り返っても、なんもない。音はすでに車の屋根から聞こえていた。

音は、ちょうど人の歩幅くらいの感覚を保って、一定のペースで聞こえる。
その時は、もうひたすら怖かったから、ハンドル抱いてガクガク震えてた。

音は運転席の上を過ぎて、ボンネットのところにいる。
その時、「せめて後姿くらい見てやろう」って思った。

で、恐る恐る顔を上げると、男と目が合っちゃった。

そいつ、歩いてたわけじゃなかった。
腰のところから二つ折りになって、ブリッジ状態で動いてたんだ。
これは私の叔父の話です。
叔父は普段から豪快な人間で霊のたぐいは一切信じない人ですが、特に酒が入るといつも以上に豪快になり、大酒を食らってはいつも大虎になり恐い物無しになってしまう人です。

そんな叔父が例のごとく大酒を食らって正体を無くし終電も無くなってしまったのであたりをふらふらしていた時、大きい方がしたくなり日比谷公園の公衆便所に飛び込んだそうです。

酔っているためしゃがんでいてもふらふらと危ないので前の壁に手をついて用を足していると、誰かが肩を「とんとん」と叩いたそうです。
泥酔している叔父が無視しているとさらに「とんとん」と肩を叩いてきたそうです。

恐いもの無しの叔父はさらに無視していると、

「やめろよ、今大切なところなんだからやめろよ」

と男の声が後ろから聞こえてきたそうです。

大虎の叔父は、

「うるせえな! 人が気持ち良く用を足しているのに邪魔すんな」

と文句を言いながら思いっきり後ろを振り向いたそうです。

するとそこには舌をべろんと出して、目をひん剥いた男が首にロ−プを巻き付けてぶら下がっていたそうです。
叔父の肩に「とんとん」とぶつかっていたのはその男のつま先だったのです。

さすがの叔父も一辺に酔いが覚め、お尻も拭かずに公衆便所から飛び出して交番に駆け込んだそうです。
後に交番の警官に事情を聞くと、首吊り自殺だったそうですが、叔父が発見したときには既に死亡して何時間も経った後だと言われたそうです。
糞スレ