1 なんJの王長谷川亮太や!2

八神太一

よろしくやで
これは2年前の話です。

その日は学校対抗の球技大会があり、私たち学校の生徒は競技場まで学校が貸し切ったバスに乗り移動しました。

球技大会も無事に終わり、全力を出し切った皆は帰りのバスの中で寝てました。
起きてる人は運転席近くの席にいる数人くらいでした。帰りはトンネルが3ヵ所ある山道を通って帰ります。

バスの1番後ろの5人席にクラスの男子3人が独占して座ってました。
私はその5人席から正面左側の2人席の通路側に座ってました。友達は窓側です。

私は友達が寝てしまったので後ろの男子と席ごしに話をしていました。
途中話が盛り上がり後ろを向きながら話をしてました。

しかし、窓側に座ってた男子が少しだけ開けた窓に立て肘をついて寝始めてしまい…私も話に飽きたので寝ようと前を向いた時…同時にバスがトンネルに差し掛かかった時…

ほんの一瞬…
でも、鮮明に…。

少し開いた窓…
その窓いっぱいに髪が濡れた女性の顔がありました。
その女性はものすごい横目で窓側に座っている男子を見てました。
けれど私が前を向く一瞬の間に目が合ってしまいました。

直感的に「マジかよ、これはヤバイ…」と感じた私は心の中でお経を唱え「あたしには何も出来ない」と何回も叫びました。

恐怖が引かない私は横で寝ていた友達を起こし事情を話すと友達は驚いた様子で、「ここは女の人が出るって有名だよ」と言いました。

もしかしたら私は憑かれたのではないかと思い後日霊能力者の方に見ていただきました。

その結果、憑いてないから安心していいとの話。
安心した私はいつしかそのことを忘れていました。


時は流れ今年の2月…勉強のグループのメンバーと怖い話をしてました。
その時、ふとあの体験のことを思い出したのでそのことを話しました。

メンバーの顔が凍り付きました。

私「どうしたの?」

A子「あんた知らないの?」

私「何が???」

A子「そのバスの中で〇〇君は子守り歌を聞いたんだって…でも、皆寝てるしバスの中で子守り歌を歌う人なんかいないって思ってよく耳をすませたらね…」

私「…うん」

A子「窓の外から聞こえたんだって。〇〇君は怖くなってまた寝ちゃったみたいだけど…」

B子「あの日以来、〇〇君は背中や肩が重いって言ってるから皆で憑いたんじゃない? ってからかってたけど…」


私は全身鳥肌が立ちました…
取り憑かれたのは私ではなく彼なのかもしれない。

今のところ彼に何も不幸はないがつい先日も背中が痛いと言っていました。