1 無名さん

お前ら知ってる?

寺田君はお父さんがおらんねんぞ
家庭教師はアリスに算数を教えていた。

「もしウサギを2羽、それにウサギを2羽、それからまた2羽のウサギを君にプレゼントしたら、君は何羽のウサギを持つことになる?」

「7羽!」

「いや、もう一度、よく聞いて。もしウサギを2羽、それにウサギを2羽、それからまた2羽のウサギ、君にあげたら、君は何羽のウサギを持つことになる?」

「7羽!」

「やり方を変えてみよう。もしビールを2本、それからビールを2本、さらにビールを2本を君にあげたら、何本のビールを持つことになる?」

「6本!」

「ようし! それなら、ウサギを2羽、それにウサギを2羽、それからまた2羽のウサギを君にあげたら、君は何羽のウサギを持つことになる?」

「7羽!」

家庭教師は頭を抱えて言った。

「いったいどうしたら、ウサギ2羽が3組で7羽になるんだ?」

アリスは笑顔で答えた。

「うちにウサギが1羽いるもの!」
これは今からほんの少し未来のお話です。

そのころ、この星にはもうほとんど緑がありませんでした。
海の水はどんどんふえるばかりでしたが、飲み水はどんどんへっていきました。

こまった人々は、星をもとにもどす方法を一生懸命かんがえました。
世界中のえらい人があつまって相談をしました。

でもとうとう答えはでませんでした。
もとにもどすには、あまりにもおそすぎたのです。

人々はもう神様に祈るしかありませんでした。
世界中の人々が、この星をもとにもどしてくれるよう、毎日神様に祈りました。

そしてある日、ついにその祈りがとどいたのでしょう。
神様が人々の願いをかなえてくれました。

その日から、この星には人間がひとりもいなくなったそうです。
ほんの少し未来のお話です。