98 無名さん
これが冒頭
この続きが>>7だよ
>トンネルを抜けたらそこは不思議の街でした──なんて映画があったっけ。
漆黒のローブに身を包んだまま、少女はそんなことを思う。
光を抜けた先にあったのは祖国の、やけに古めかしい様式の建物だった。いわゆる、日本家屋である。平屋建で武家屋敷のような、少なくともリンが生きていた時代にも、そして先程までいた時代にも、物珍しい様式の建物だ。
さて、ここはどこだろう。杖を左手に、リンは思案する。少なくとも、魔法界でもなければ英国でもないだろう。だって今日の天気は晴れだった。こんなにもどんよりとした重苦しい曇天ではなかった。
この続きが>>7だよ
>トンネルを抜けたらそこは不思議の街でした──なんて映画があったっけ。
漆黒のローブに身を包んだまま、少女はそんなことを思う。
光を抜けた先にあったのは祖国の、やけに古めかしい様式の建物だった。いわゆる、日本家屋である。平屋建で武家屋敷のような、少なくともリンが生きていた時代にも、そして先程までいた時代にも、物珍しい様式の建物だ。
さて、ここはどこだろう。杖を左手に、リンは思案する。少なくとも、魔法界でもなければ英国でもないだろう。だって今日の天気は晴れだった。こんなにもどんよりとした重苦しい曇天ではなかった。