46 無名さん
パク
「私、ハーマイオニー・グレンジャー。あなたは?」

「…シオン・カンナギ」


一瞬苗字と名前の順番を迷ったシオンだったが、ファーストネームを先にして答えた。ハーマイオニーから差し出された手を戸惑いつつ握り返すと、ハーマイオニーは花が咲くように笑った。


「シオン、よろしくね。あなたのご家族が魔法族なの?私の家族には魔法族は誰もいないの。だから手紙を貰った時、凄く驚いた。でもなんの魔法も知らないから、教科書を全部暗記したんだけど、それだけで足りるかしら…?」

「えっと…うん、どっちも魔法族」


息をつく暇もないくらいに喋り倒すハーマイオニー。シオンは彼女の最初の問いに返答し、そして後の問いには分からないと言いたげに肩を竦めた。するとハーマイオニーは、また嬉しそうに笑った。


「ありがとう。私の話を真面目に聞いてくれたのは、あなたが初めてだわ!とっても嬉しいわ」

ラレ
「私、ハーマイオニー・グレンジャー。あなたは?」

「シルヴィア・フルスターリよ」


差し出された手に若干の戸惑いを覚えたが、おずおずとシルヴィアはハーマイオニーの手を握る。
パッと花が咲いて綻ぶように明るく笑ったハーマイオニーに、思っていた以上の力で手を握り返されてじんわりと掌が汗ばむのを感じた。


「シルヴィア、よろしく。ねぇ、あなたのご家族は魔法族なの? 私の家族には魔法族は誰もいないの。だから手紙をもらった時はすごく驚いたわ! でも、何も魔法の知識が無いから教科書を全部暗記したのだけれど、それだけで足りるかしら?」


息つく暇もなく喋り倒したハーマイオニーに、シルヴィアは示し肩をすくめる。
そして、「そんなこと私に分かるわけないじゃない」と言いたげに首を縦にも横にもとれるように振ると、ハーマイオニーはうっとりとシルヴィアを見つめた。


「ありがとう。あなたが初めてよ! 私の話を真面目に聞いてくれたの。とっても嬉しいわ」