65 無名さん
パク
だがマーカス・フリントが五回目のゴールを決めてから少し、ハリーの箒は落ち着きを取り戻した。しかしハリーは地面に向かって急降下する。ハリーは口を手でパチンと覆うと、嘔吐しようとしているかのように、四つん這いになって着地する。一度大きく体が震え、ハリーの口の中から手のひらに、金色の玉が転がり落ちた。

ハリーが頭上高くにスニッチを振りかざした。


「ハリー・ポッターがスニッチをキャッチ!グリフィンドールの勝利、一七〇対六〇で勝ちました!」

ラレ
小さな囁きのような願いは、マーカス・フリントが五回目のゴールを決めたことで湧く歓声にかき消される。

すると、シルヴィアの嘆願が届いたかのように、暴れまわっていたハリーの箒は急に落ち着きを取り戻し、再び箒に跨ったハリーは、突然地面に向かって急降下した。

右手を懸命に伸ばす先には、キラキラと光るスニッチ。
スリザリンのシーカーは、ハリーのスピードに追いつけやしなかった。

パチン――とハリーが口を手で覆うと、箒から降りて地面に四つん這いになった。
何かを吐き出そうとする仕草の後、一度大きく体が震え、ハリーの口の中から掌の中に金色の玉が転がり落ちた。

ハリーが頭上高くにそれを振りかざす。
リー・ジョーダンが叫んだ。


「ハリー・ポッター、スニッチをキャッチ! グリフィンドール一七〇対六十で勝ちました!」