30 無名さん
母親、息子、おばあさんの三人で暮らす家があった。 
母親は、おばあさんに対してそれはそれはつらくあたっていた。 
食事も汚い木でできた粗末な器に薄いスープを入れ、床で食べさせるほど。 
ひどい虐待に、おばあさんはとうとう死んでしまう。 
「せいせいしたわね」と母親。 

それからしばらくして、母親は息子があの汚い木の器を磨いているところを見る。 
「何してるの、そんな汚いもの、もう要らないんだから捨てなさい」 
息子は答える。 

「だめだよ。ママが年を取ったら使うんだから」