1 アンナ
女性 23歳

妄想・・・隣人

自慰妄想を興奮にまかせて投稿いたします。
2 アンナ
アンナは会社に勤めていて、一人暮らしをしています。
翌日は仕事がお休みで、ちょっとだけ遅くまで働いていたので帰宅したのは9時過ぎでした。
駐車場から部屋の玄関までは歩いてすぐなんですが、少しだけ気が張ってしまいます。
同じアパートの人が同時刻に帰ってきたりすると、何となく気まずいので会わないようにしているせいかもしれません。
1階のお部屋の前を気持ち足音を立てないようにして通り過ぎます。
階段を同じく足音を殺して登り、私のお部屋の前にたどり着きます。
鍵はすでに手の中に用意してあるので、部屋の前でもたつくことなくお部屋に入ることができました。
3 アンナ
玄関にかばんを置いて、電気のスイッチを手探りで探し当てると真っ暗だった部屋に明かりがともります。
自宅に帰ってきたという安堵感を感じる瞬間です。
そのとき、かばんの中でバイブ音がして、電話がきたことを知ることになります。
私はその電話が誰からのもので何を伝えようとしてるのか、すぐに理解できます。
4 アンナ
電話が鳴っていることに気づいてから、私はしばらくの間かばんを見つめます。
早くでなきゃ・・・という気持ちと、気づかなかったことにできないか・・・という気持ちがぶつかります。
その間も電話は鳴り続けました。
5 アンナ
私は電話を取り出し、通話ボタンを押しました。
緊張が体を包み、足が震えます。
電話口からは「遅いよ」と言う声が聞こえました。
心臓が激しく打っているせいか、どこか遠くから聞こえているようでした。
私はすぐに「すみません」と言おうとしましたが、うまく言葉がでませんでした。
そのせいで一瞬の間があき、今度はなんだかこちらから言葉を発してはいけないような気がしてきます。
6 アンナ
「裸になって来なさい」
それだけ言って電話は切れました。
その言葉は予想を上回るものでも、裏切るものでもありませんでしたが、やっぱり衝撃的な言葉でした。
7 アンナ
こんな電話が毎週のようにかかってくるようになったのには数ヶ月前の夜に原因があります。
私には人に体を見られたいとか、恥かしいところを見られたいという性癖があるのだと思います。
もちろん、実際に外で裸になったりしたことはありません。
でも願望のようなものはずっと心の中にあったのだと思います。
それで私は絶対に安全で、かつこの願望を満たすように、裸でベランダにでてオナニーをするという方法をとりました。
8 アンナ
それはとても刺激的でした。
マンションの周りには高いビルがありません。
それに部屋のベランダの近くに電灯がないので、部屋の電気を消せば真っ暗です。
誰にも気づかれないのに、とてもスリリングな気持ちになりました。
そんなことをたびたび繰り返しては私は満足していました。
本当にそれだけで満足でした。
9 アンナ
でも、あの夜・・・
いつものようにオナニーをした後シャワーを浴びようとしてお風呂を溜めていました。
そのとき玄関でチャイムが鳴りました。
時間が遅かったので誰かも確認せず、そのままやりすごそうと思っていました。
でも時間をおいてまたチャイムが鳴ったんです。
それで誰がきたのかだけでも確認しようと、玄関のモニターを見てみました。
そこには知らない男性がうつっていました。
なんだか気持ちが悪くなって、少しの間眺めているとその男性はふいに
「いま、ベランダで一緒だった者ですけど」
と言ったんです。
10 アンナ
その瞬間、私は頭の中が真っ白になるかと思いました。
でも実際はそんなことはなくて、いろんな考えが頭をめぐりました。
引っ越さなきゃいけなくなったとか、玄関の前にいる男性に関係を求められるに違いないとかそんな考えがぐるぐるとしました。
知られたことの恥かしさよりも社会的に困ったことになったという危機感が強かったように思います。
男性が何度目かのチャイムを押したとき、私はぼーっと画面を見ていました。
今どうするべきかを考えられるほど頭は機能していなくて、ただその場に立ち尽くすことしかできなかったんです。
11 アンナ
そのとき、男性は
「私の奴隷になりませんか」
と言いました。
12 アンナ
奴隷・・・?
モニター越しに男性と目が合ったような気がして、私は咄嗟に目をそらしました。
奴隷・・・
意味が分からなかったわけではありません。
それでも、何を意味しているのかすべてが分かったわけではありませんでした。
画面が消えて真っ暗になりました。
それでも私は今、どうしていいのかわからずにいます。
このままやり過ごしてしまえば、これ以上男性が接触してくることはないような気がしていました。
13 アンナ
少しの間があいたあと、再びチャイムが鳴りました。
心臓の音がさらに強まり、全身が緊張に包まれます。
「これが最後です、早く決めなさい」
と男性は言いました。
まるで私がモニターの前で立ち尽くしているのを知っているかのようでした。
14 アンナ
私は通話ボタンを押し、
「はい」
と答えました。
そうしようと思って行動したわけではありません。
おおよそ理性が働いていたとは思えません。
ただただ、そうしてしまっただけでした。
男性は電話番号を教えるよう言い、私は言われたとおりにしました。
モニター越しに男性が帰っていくのが見えました。
私は真っ暗になったモニターをしばらくの間見つめていました。
15 ユウ
いい妄想だな。
続きが気になるよ
16 アンナ
どれくらいそうしていたのか分かりません。
まわらない頭のまま一歩も動かずにいると、携帯がなりました。
あの男性から電話がかかってきたことは確認するまでもなく明白でした。
私はフラフラと電話のところまでいき、そのまま通話ボタンを押しました。
男性は私たちのうち、どちらかがこの関係を望まなくなれば、その場で終了とするというようなことを話しました。
私は男性の話を半分も理解していませんでしたが、「はい」と返事だけはしていました。
17 アンナ
最後に男性は自分の部屋に来るよう言いました。
そう言われた瞬間、私ははっと目が覚めたようになりました。
「困ります」
私は咄嗟に答えました。
そのときになってようやく事態が飲み込めてきたのかもしれません。
足元から震えがはしりました。
これ以上、この男性に関わらないほうがいいという考えで頭がいっぱいでした。
男性は
「嫌だと思えば、それが終わりのときだと言ったでしょう?」
と言うと電話を切りました。
18 アンナ
私はいくぶん冷静さを取り戻し、ソファに座りました。
私は隣の家に住む男性に自分の性癖を知られてしまいました。
そのことで、今奴隷にならないかと言われています。
これは脅しなんだろうか・・・私は考えました。
思い返せば、彼の言葉には強制するようなものはひとつもありませんでした。
終了というのは、もしこのまま男性の部屋に行かなければ、二度と接触してこないということでしょう。
そもそも、私は3年間この部屋に住んでいてすぐ隣に住む男の顔を知らなかったのです。
このまま出会うことなく生活することは可能であるような気がしました。
もしも・・・出会ってしまったとしても、多少気まずい、その程度のものではないでしょうか。
あの男性がそのことを言いふらしたり、まして無理やりどうこうすることは考えられないような気がしました。
19 アンナ
少し落ち着くと、もしも部屋に行ったら・・・そんなことを考えている自分に気がつきます。
部屋に行ったらどうなるのだろう・・・。
奴隷という言葉が指す意味を知らないわけではありません。
それでも、何をされるのか具体的にはわかりませんでした。
ビデオに撮られて脅されたら・・・仕事に行けなくなるような傷をつけられたら・・・そう思うと、部屋に行くなんてあまりにも危険でした。
その反面、嫌だと思えばそこで終わり・・・その言葉が頭を巡りました。
約束が完全に守られるという保障はありません。
そう思いながらも、私は彼なら約束を守るだろうという気がしていました。
それは私の好奇心がそう思わせたのかもしれません。
その言葉が頭に残り、知らない男の部屋にまで行こうという気持ちになっていました。
20 ミク
それで行ったの?

まさか、奴隷になるのに、普通に行ったなんてことないよね?
ふさわしい格好で行ったのよね?
21 吾郎
ドキドキだね。次の展開が楽しみです。
やっぱり、お風呂に入って身体を綺麗にして、綺麗な下着を身につけ、ドキドキしながら隣の部屋に行くのかな?
22 アンナ
話を聞くだけでも後戻りできるかもしれない・・・私は自分の好奇心を押さえ切れませんでした。
部屋に行っても極力すぐに逃げられるようにしていようと思いました。
ポケットのあるパーカーを着て中に携帯電話と小さな制汗スプレーを入れました。
こんなものを持っているのは少し不自然な気もしましたが、外からは見えないように入りそうだし、少しでも足止めになりそうだったからです。
ジーンズをはいて玄関に立ちました。
23 アンナ
時計を見ると、電話が切れてから1時間以上がたっています。
ノックして出てこなければすぐに戻ろう、そう思いました。
玄関を出て鍵をかけずにドアを閉めました。
できるだけ音がしないようにそっと隣の部屋の前まで移動します。
アパートは静まりかえっていて、私の心臓の音だけが聞こえているようでした。
24 アンナ
少しためらった後、ドアを2回ノックしました。
思ったよりも音が響き、私はたじろぎました。
私は目の前のドアが開くことと、このまま誰も出てこないことの両方を願っていました。
しかし、さほど願う間もなくドアが開きました。
「遅かったね」
電話と同じ声がします。
私は顔を上げることができず、声だけで数時間前に私の部屋の前に立っていた男性と同一人物であることを確認しました。
促されるままに部屋に入りました。
25 アンナ
一瞬、男性の部屋であることを示すような匂いがしましたが、すぐに慣れます。
部屋は電気が消され、玄関から部屋に続く扉も閉められていました。
玄関の頼りなげな照明だけが私たちを照らしました。
全く同じ間取りですが隣同士であるため左右対称です。
自分の部屋とは全く違う部屋のような気がしました。
玄関の鍵はかけられず、少しほっとします。
靴を脱いで上がるとそこで待つよう言われました。
私は今から起こることに細心の注意を向けていたつもりでしたが、ほとんどぼーっとした状態だったと思います。
26 アンナ
男性は奥の部屋から椅子を持って戻ってきました。
この場所で話をするつもりのようでした。
私は少し緊張しました。
もしも・・・話をするつもりではなく何かされたら・・・。
しかし、その緊張は杞憂に終わりました。
27 アンナ
男性は椅子を玄関に向けて置き、そこに腰掛けました。
そして、「そこに正座しろ」と言いました。
少し驚きましたが、その言葉でこれはすでに始まっているんだということに気づきました。
私は何も言えず、とりあえずその場に正座しました。
男性とは少し距離を置いて座ったので、危険を感じることはありませんでした。
それどころか、全く現実感がなく、座っていてもふわふわとした感覚に襲われました。
28 アンナ
「お前、俺の奴隷になりたいのか?」
ふいに男性が言いました。
私はそのものずばりの質問に驚き、顔を上げました。
初めて男性と目が合い、その表情を見て私は奴隷になるということの意味を理解したように思いました。
男性は哀れんでいるような軽蔑しているような、そんな目で私を見ていました。
私は耐えられず、すぐに目をそらしました。
「質問にはすぐに答えろ」
頭の上から声が聞こえます。
はい、と私は枯れた声で答えました。
心臓が高鳴り、これで本当に始まってしまうと思いました。
29 アンナ
しかし、それは間違いでした。
「奴隷になりたいのなら、返事をするときに語尾にご主人様をつけろ。それから、はい、いいえだけじゃなく言われたことを繰り返して自分でも確認しろ。」
まだ奴隷として認められていないんだ・・・そう思いながら、はいと返事をしました。
返事をしながら、たった今言われたことを思い出し、焦りました。
焦りながら、「はい、言われたことを繰り返して確認します、ご主人様」と言います。
集中していないと失敗すると思い、怖くなりました。
私の焦りはすべてお見通しであったかのように、返事が悪ければ罰を与えると言われました。
30 アンナ
再び「俺の奴隷になりたいか?」と聞かれました。
私は、「奴隷になりたいです、ご主人様」と答えました。
その声は妙に棒読みで、自分の声ではないような気がしました。
「それで?」そう言われ、私は固まりました。
それで・・・どうすればいいのか皆目分かりませんでした。
31 アンナ
何も言わずに、うつむいていると、声がしました。
「お前が俺に頼みごとをしてるんだ。どうすればいいか考えろ。」
32 アンナ
私はすぐに土下座して「奴隷にしてください、ご主人様」と言いました。
恥かしさや惨めさは感じませんでした。
そのときは正解が何かを見つけることに精一杯になっていたんです。
「だめだ」すぐに返事が返ってきました。
私は土下座しながら顔が赤くなるのを感じました。
断られるんだ・・・ようやく普通ではないことを言っていることに気づき、急に恥かしくなりました。
顔を上げるには怖ろしく、かといってどうすることもできませんでした。
私は土下座の格好のまま固まっていました。
頭上から何か指示があるかと思い、待ちました。
しかし、このとき男性は何も言ってくれませんでした。
33 アンナ
そのまま時間が過ぎていき、その間、男性が足を組んだりため息をついたりするのを感じていました。
そのたびに私は怯えましたが、何も変化はありませんでした。
だんだんと男性が退屈していく空気を感じ、私はよけいに怖くなりました。
それで、長い長い間があいた後、
「ど、奴隷にしてください、ご主人様」
と小さい上、どもった声で言いました。
34 アンナ
恥かしいと気づいてしまった以上、顔が火照るのを止められません。
「だめだ」再びすぐに返事はありました。
「奴隷にしてください、ご主人様。お願いします。」
私も間をおかずに言いました。
なにより、あの間が怖ろしかったのです。
それでもかえってくる答えは同じでした。
35 アンナ
「アンナを奴隷にしてください、ご主人様」「お願いします、奴隷にしてください、ご主人様」何度も何度も言っているうちに、どうしてだめなんだろうと悲しくなりました。
だいたい奴隷とはなんなのか・・・同じことを繰り返しているうちによく分からなくなりました。
ここでなぜ奴隷になりたいのか、どんな奴隷になりたいのか、そんなことを聞かれたら何も答えられないのは明白でした。
それにそれを聞かれることは予想できることでもありました。
私はそう聞かれることを恐れて、返事を待つ前に何度も何度も奴隷にして欲しいと言いました。
途中からご主人様は返事をされていないようでしたが、私は夢中で気がつきませんでした。
36 アンナ
「もういい」
何十回も言ったあと、ご主人様はふいに言いました。
あの質問をされるのかと、緊張しましたが「馬鹿のひとつおぼえだな」と言われただけでした。
少しずつ言葉を変えてお願いすればよかったのか・・・と少し後悔しました。
土下座したまま、話し続けていたため頭がくらくらしていました。
37 アンナ
「さっきも言ったように、俺かお前のどちらかが会うことを拒否したり、終わりと言った時点でこの関係は終了だ」
「はい、終わりと言われたら終了します、ご主人様」
私は土下座のまま答えました。
足が痺れて胸も苦しかったのですが、変に動くことで何か言われるのではないかと怖かったのです。
この判断が正しかったことは後になるまで分かりませんでしたが、私はなんとか地雷を踏まずにいたようです。
初日だったため大目に見てもらえていたことを除いても、私にとっては上出来な日でした。
38 アンナ
「俺が何か言ったら即答しろ」
「はい、即答します、ご主人様」
「俺の命令に逆らうな」
「はい、命令には逆らいません、ご主人様」
「言われたことだけをしろ。それ以上のことをするな」
「はい、言われたことだけをします。それ以上のことはしません、ご主人様」
「罰を与えられたら感謝を示せ」
「はい、罰をいただいても感謝します、ご主人様」
「連絡は俺からする。お前はそれを受けるだけだ」
「はい、私から連絡するようなことはしません、ご主人様」
どれほどのやりとりを繰り返したか分かりません。
39 アンナ
ご主人様はいたって淡々と単調に言い続け、私はそれを復唱しました。
しかし、私は次第に答え方のコツをつかんだような気がしていました。
要は、ご主人様が何を言いたいのか、それをつかめばいいのです。
私はやり方を覚えて、少し落ち着きを取り戻しました。
40 アンナ
それと同時に、緊張のため気にならなくなっていた足の痺れや頭の痛みも戻ってきました。
「それから・・・これが最後だ。お前がいかに浅はかな奴隷であるか、いつも胸に刻んでおけ」
「はい、私は浅はかな奴隷です。いつも心に刻んでおきます、ご主人様」
ご主人様が薄く笑っているのが空気で感じられました。
その理由がわからず、私はとても怖くなりました。
41 アンナ
少しの間があり、ご主人様はほんの少し楽しそうに言いました。
「今言ったことを、いつでもすべて言えるようにしておけ」
私はその言葉を聞いたとき、心臓をつかまれた気がしました。
一体いくつあったんだろう・・・せめて数を数えていればまだ思い出す努力ができたかもしれません。
しかし、うまく答えることに集中していた私には半分も思い出せればいいものかもしれません。
きっとテストされる・・・そうなったらほとんど答えられないでしょう。
答えられなければどうなるんだろう・・・私は胸が苦しくなりました。
42 アンナ
「おい!」
怒気をはらんだ声を聞いて、私はぎょっとしました。
「す、すみません。言われたことをすべて言えるようにします、ご主人様」
ご主人様はそれ以上何も言いませんでしたが、私の返事が遅かったので気分を悪くされたようでした。
「次に呼ぶときに確認してやる」
それは次回、罰を与えると言っているのと同じでした。
「はい、確認してください、ご主人様」
私はせめて今日は叱られないようにと消え入るような声で返事をしました。
43 アンナ
「お前にも奴隷でいられなくなる事情はあるだろう?」
今までなんとなく侮蔑のこもった話し方をされていたご主人様の声色が変わったので、私は一瞬身構えました。
しかし、それは私に打撃を与えるものではなく、普通の質問であることに気づき、はいと答えました。
それでも、なまいきだな、そう聞こえたときには背筋が冷えました。
私はすぐに謝ろうと思いましたが、その前にご主人様は、具体的にどんなことか言うよう言いました。
44 アンナ
私は迷いましたが、とても冷静でした。
この時しかないと思いました。
奴隷としての存在に終わりを告げずにすむために、できるだけきちんと言わなければならない、そう思いました。
私の持ちうる知識では限界がありましたが、そのなかで絶対に断らなければならないことを考えました。
45 アンナ
言葉遣いに細心の注意を払いながら、私は仕事や生活に支障を及ぼすことはできないこと、体に残るような傷をつけたくないこと、他人にこのような関係を知られたくないこと、ビデオや写真に撮られたくないこと、この関係以外の場所で出会いたくないことなどを次々に言いました。
あまりにたくさんのことを話したため、怒らせてないか気になりましたが、ご主人様は特に何も言わず、黙って聞いているようでした。
最後に私は自分でもどうかと思いながら恐る恐る言いました。
「それに、セックスはしたくありません、ご主人様」
46 アンナ
私はそれほど経験がないわけではありませんでしたが、このような関係の男性に抱かれたことはありません。
半分そういうわけにはいかないだろうと覚悟はしていましたが、やはり抵抗がありました。
また、妊娠に対する心配もありました。
怒るか、呆れるか・・・私はそのまま黙りました。
47 アンナ
少しの間があり、私は目を閉じてご主人様の様子を伺いました。
それで全部?とご主人様は言いました。
声の感じからは全く感情が読めませんでした。
「はい、全部です、ご主人様」
「ふーん」と興味のなさそうな声が聞こえました。
「結局、お前は俺の前で痴態を演じたいと、そう思ってるんだな」
私は言葉に詰まりました。
そういえば奴隷ってなんだろう・・・私は初期の疑問が頭をよぎりました。
48 アンナ
もしかしたら・・・そういうことじゃないの?そう思うと、顔にどんどん血が上るのがわかりました。
何か答えなきゃ、そう思いながら何も言葉が出てきません。
「お前、なんで奴隷になりたいんだ?」
恐れていた質問が今、投げかけられました。
私には答えられるはずがありません。
それでも黙っていてはいけないと思いました。
「あ・・・」答えになるものは何もなかったのに、私は意味もなく声を出しました。
しかし、それはただの声でした。
49 ぽよん
続きが気になります><
楽しみにしてます〜
50 アンナ
私の頭は真っ白で、もう何も考えられませんでした。
心臓の音だけが狂ったように聞こえていたと思います。
ご主人様は私が何も言えないことをすべて分かっているかのように、続けました。
「お前は必死に頭を下げて奴隷にして欲しいとすがったな。どうしてだ?奴隷になれば良いことがあると思ったんだろ?言えよ。」
「言えないの?あんなに何度も奴隷にして欲しいと訴えただろう?聞いているほうがうんざりするほど。」
「急におとなしくなったな。さっきまで勢いよくあれはできない、これはできないって言ってたじゃない。じゃあお前は何ができるんだ?何がしたいんだ?」
51 アンナ
ご主人様は怒っても呆れてもいませんでした。
後で思えば、奴隷に対して怒りなど覚えるはずもありません。
ひたすらに侮蔑があるだけでした。
私はただただ自分を恥かしく思い、ご主人様の言葉を受け止めていました。
「自分でなにを懇願していたか、それすら分かってなかったんだな」
やめて!私は心の中で叫びました。
でも、声にすることはできません。
あまりに惨めだからです。
52 アンナ
「もう一度言ってみなよ。奴隷にして欲しいって。」
私は恥ずかしくて消えてしまいたいと思いました。
「俺の奴隷になって、裸にされたり首輪で繋がれたかった?痕がつかない程度に鞭で打たれたかった?それとも、縛られて吊るされたかった?蝋燭でも垂らされたかった?それとも、」
「すみませんでした・・・」
53 アンナ
私はそれ以上、聞きたくなくて口を挟みました。
ご主人様は私が口を開いたことで、それ以上は話しませんでしたが、状況は何一つ変わらない質問をしました。
「何が?」
私には答えようがありません。
ずっと土下座したままで体がこわばっていましたが、小さく丸まっていられるため、ずっとこの格好のままでいたいと思いました。
54 アンナ
「私が浅はかでした」
私は言葉をかけられることを恐れて続けました。
「私が・・・よく考えもせず、いろいろと期待してしまって・・・恥かしいと思います、とても。」
自分でも何を言っているのかわからなくなっていました。
「あぁ、だからベランダにいたのか」
たたみかけるように、蔑みのこもった声がしました。
55 アンナ
私はもう何も言えませんでした。
そのことについて、今までご主人様はあえて触れなかったのかもしれません。
私は愚かにもそのことを忘れてさえいました。
だからかもしれません。
そのことに触れられた瞬間、恥かしさのあまり涙が出ました。
一度こぼれてしまうと止まりません。
そのまま私は泣き続けました。
その間、ご主人様は何も言いませんでした。
56 アンナ
ひたすら泣いて、私は少し落ち着きを取り戻しました。
落ち着いてみると、泣いた恥かしさが加わり、どうしようもない居心地の悪さを感じました。
私が落ち着いたのを見て、ご主人様は顔を上げるように言いました。
それは私にとって一番したくないことでもありました。
しかし、さんざん失態を繰り返し、私はもうこれ以上ご主人様に迷惑をかけられないという気持ちになっていました。
57 アンナ
長い間、同じ姿勢でいたので体がきしみました。
ゆっくりと正座の姿勢になりましたが、できるだけ俯いたままでいました。
「言われたことは復唱しろ」
ご主人様は私が俯いていることではなく、何も言わずにそうしたことを咎めました。
私は何をどうしてもうまく言えないこと、うまくできないことが悲しくなり、また涙が溢れました。
「すみません、言われたことは復唱します、ご主人様」
私はかすれる声で言いました。
58 アンナ
私はすでに考える力を失っていました。
もうすべて命令通りに、叱られないようにするしかないと思いました。
「顔をあげて俺を見ろ」ご主人様はそう言いました。
私は恥かしさを感じましたが、それはそれまで感じていたものとは違っていました。
「顔を上げてご主人様を見ます、ご主人様」
私はご主人様と視線を合わせました。
とても恥かしい気持ちと何かすがりたい様な、許しを請いたい様な気持ちになりました。
私は不思議な気持ちのままご主人様を見ていました。
涙が溢れて頬を伝いましたが、私は身じろぎひとつせずじっとしていました。
ご主人様は椅子に片足を乗せて座り、肘掛に肘をつき、その手の平にあごを載せて私を見ていました。
59 アンナ
「今日は帰っていいよ」
そうご主人様に言われ、私はとっさに土下座し、
「ありがとうございました、ご主人様」
とお礼を言いました。
目の前の男性をご主人様と呼ぶことにも、土下座してお礼を言うことにも全く抵抗がありませんでした。
少しの間、頭を床につけていましたが、ゆっくり起き上がりそのまま立ち上がろうとしました。